不妊予防・治療オンラインシンポジウムにおける統計調査・アンケート結果
事後アンケートにご協力してくださった方の性別と年代は?
最初に、アンケートにご協力してくださった方の性別と年代のグラフをご覧ください。
性別は、女性が87.1%、男性が12.1%という結果となりました。
先生方のお話にも言及されておりましたが、不妊治療に対する男性の意識の低さが反映されているのかもしれません。今後は、少しでも多くの男性にご参加していただけるために、男性にも正しい不妊治療の情報を知っていただけるような取り組みをしていく必要があります。
ご協力してくださった年代は、35~44歳が29.9%と約3割を占める結果となりました。こちらは、30代後半が不妊治療を受けている方が最も多いということが、反映されているのかもしれません。20代前半など若い世代の方にも、不妊治療に対する認識を高めていただけるような取り組みをしていき、若いうちから不妊治療についての正しい知識を身につけられる機会を作っていくことが大切だと感じました。
アンケートにご協力してくださった方の過去の経験や現在の立場
子育て中や子育て経験がありという方が、アンケートに最もご協力して頂けました。職場で従業員をサポートする立場の方が106名もおられたことは、企業における不妊治療・不妊予防への取り組みが良い方向へ向かう、と期待できる結果といえるのではないでしょうか。
また、42人の方がご自身は子育てや不妊治療には関係がない立場でありながら、不妊治療に関心を持っていただいていることは、子供を育てやすい社会作りにとって素晴らしいことだと思います。
不妊予防・治療オンラインシンポジウムの満足度は?
98.8%の方に大変満足、満足とご回答していただけました。先生方に素晴らしい内容の講演をして頂けたこと、参加していただいた方の不妊治療に対する関心の高さがこのような結果に現れたものと思っております。この結果に満足することなく、今後より良いシンポジウムを開催できるように努めてまいります。
シンポジウムに参加して感じたご感想の紹介
シンポジウムに参加して感じたご感想をいただけましたので、その中からいくつかご紹介させていただきます。
すでに不妊について知識を持っていた方、あまり知らなかった方ともに高い評価をいただけました。第二弾や今回とは違う観点からのシンポジウムを望む声もいただきました。今後もさまざまな方の声を参考にさせていただきながら、ご参加されたことに満足していただけるようなシンポジウムを開催できるように努めてまいります。
不妊治療を受けることでの経済的な負担を心配されていた方、不妊治療の相談ができる場所を望む声もありました。経済的な援助と精神的なケア、正しい情報を得られる機会を作ることは、多くの方に望まれていることであると改めて認識いたしました。このような声に対して少しでもお役に立てるように、政府や関係機関にご協力を仰いでいきたいと思っております。
このシンポジウムに参加したことで社会における女性の生き方、日本の将来を考えるきっかけとなったという声もいただきました。不妊治療・不妊予防について考えることはそれだけにとどまらず、社会の在り方や生き方を考えることにもつながると思っております。このシンポジウムが正しい知識を知っていただくだけではなく、生き方や社会の在り方を考えるきっかけになっていただけたのなら大変うれしく思っております。
また、多くの男性にもこのシンポジウムに参加していただきたい、不妊治療についてもっと考えていただきたい、という声もありました。男性の不妊治療に対しての意識の改善は、今後の課題のひとつといえるでしょう。男性にも不妊治療について考えてもらうために、情報の発信や機会を設けることに貢献できるような取り組みをしていきたいと思っております。
不妊予防・不妊治療に関してどのような情報・支援があると良いですか?
不妊予防・不妊治療に関してどのような情報・支援がある(強化される)と良いですか?というアンケートに対していただけたご回答をご紹介します。
最も多かったご回答は、「医療機関についての情報」というものでした。厚生労働省のホームページには、「不妊に悩む方への特定治療支援事業 指定医療機関一覧」が掲載されています。(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000047346.html)
こちらから、各都道府県・指定都市・中核市別に指定医療機関の一覧を見ることができます。
しかし、このような情報を掲載していても多くの方に知ってもらわなければ、有効に活用されることは難しいでしょう。
2番目に多かったご回答は、「助成制度等に関する情報(含む保険適用)」でした。こちらの情報も厚生労働省のホームページに「不妊に悩む夫婦への支援について」というページに不妊治療で受けられる助成金支援について詳しく掲載されております。(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000047270.html)
「医療機関についての情報」と同じことですが、掲載されているサイトを多くの方に知っていただくために、情報を周知させる工夫が必要です。
3番目に多かったご回答は、「不妊予防・治療の最新情報(国内)」でした。政策として取り組まれている不妊予防・治療は厚生労働省のホームページ等で確認することができます。「先進医療」を実施している医療機関名は厚生労働省のホームページに掲載されていますが、(https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/sensiniryo/kikan02.html)詳しい内容などは、個別に調べないと情報を得ることは難しいという現状があります。
政府が「不妊専門相談センター事業」に取り組んでおりますが、相談できる日時が決まっているため、知りたいときに知ることができるというわけではありません。いつでも気軽に情報を得ることができる仕組みの確立が望まれています。
4番目に多かったご回答は、「不安・悩みに対するメンター、相談相手」でした。こちらは、先ほどご紹介した「不妊専門相談センター事業」は、不妊に悩む夫婦に対し、医学的・専門的な相談や不妊に対する悩みなどについて専門家が対応してくれる事業です。(https://www.mhlw.go.jp/content/11920000/000689250.pdf)厚生労働省には全国の不妊専門相談センター一覧が掲載されているため、お近くの医療機関にお問い合わせしてみてください。