不妊予防のポータルサイト

Poppins i-ce(ポピンズアイス)

クリニックを探す

最終更新日
セミナーレポート

【オンライン相談会より】不妊予防はなぜ今必要なの?
~当社のオンライン相談会がスタートしました!~

先日10月30日、第1回不妊予防・治療のオンライン相談会を実施致しました。

不妊治療・予防領域の第一人者である杉山産婦人科グループ理事長の杉山力一医師、不妊治療ご経験者でもある東尾理子さんのお二人をお迎えし、杉山先生から一般的な不妊予防・不妊治療の知識に関する情報提供をして頂いた後、事前に頂いた皆様からのQ&Aに加え、ライブでもご質問をお受けし、お二人にお答え頂く形式で、臨場感あふれる相談会となりました。

不妊予防コラムでは、今回の不妊相談セミナー当日に出てきたお話しや、参加してくださった方々からのご質問などをもとにした内容をご紹介していきたいと思います。

今、「不妊」というキーワードはよく聞かれますが…

厚生労働省の出生動向基本調査の最新データ(2015年)によると、不妊の治療や検査を受けたことのある夫婦は全体で18.2%と、約5組に1組の夫婦が、不妊による治療や検査を受けた経験があると答えています。
また、2019年の出生児のうち16人に一人が体外受精で生まれています。
女性の社会進出によって晩産化が進んでいるというのは、ほとんどの方がご存知かもしれませんが、不妊治療を受ける女性は、30代後半から40代に多く、仕事と治療の両立が想像よりも難しく、4人に1人が不妊治療のため離職しているというのが現状です。

不妊治療の現場から

そのような状況の中で、政府は不妊治療の保険適応化や、不妊予防パッケージの発表など、対策されてはいますが、実際には、多くの方が、治療と仕事の両立に苦労しています。
不妊治療はお金がかかりますが、仕事を辞めると時間はできても収入が減ってしまう、また、仕事を辞めて治療に専念したのに結果が出るとは限らないという現状に、ストレスを抱えながら治療を受けている方が多くいらっしゃいます。

不妊治療と仕事の両立の難しさ

2018年、NPO法人Fineから「不妊白書」(※)という、不妊治療を受けている男女5000人以上(女性99.2%)を対象とした「仕事と不妊治療の両立についての現状」に関するアンケート結果が発表されました。
結果によると、仕事をしながら不妊治療をした経験があるという方は、92.8%と9割以上になります。
その中でも、7割以上の方が、「急に・頻繁に仕事を休むことが必要という点において、両立が難しい」と回答しています。
なぜ、「急に」休まないとならないのか、については、今後治療の内容を詳しくご紹介するトピックでもお伝えしたいと思いますが、先生から「次、〇日後にまたきてね」と言われたり、生理周期が乱れることで、通院日が確定しきれないことが大きな要因です。
実際に、退職・休職・異動・転職など、働き方を変えた人は4割以上に上りますが、そのうち半分が「退職」という道を選んでいます。

実際に不妊治療のために退職された女性は…

不妊治療に専念しようと退職されて通院していた方の相談を実際にお受けしていると、今まで積み重ねてきたキャリアがなくなった喪失感や、余暇時間が増えることで通院しやすくなる半面、悩む時間が増えてしまい、毎日ネット検索に時間を費やし、前よりもしんどくなったという声も聞かれます。
何より、結果が出れば「辞めてよかった」となるのですが、「仕事を辞めて…キャリアを捨ててまで治療に専念したのに…」と結果が出ないことで、自身のアイデンティティーが崩れたり、自己肯定感を保つ機会が減るという場面も見られます。
このような現状を減らすためにも、個人が不妊をできるよう十分な情報を提供することと、企業側が従業員が不妊治療と仕事を両立し、離職しないで済むようサポートをすることは、とても大切なことだと考えています。

女性の生涯に寄り添うケアをしていきたい
今、ポピンズは何ができるか

不妊予防の正しい知識を多くの人に知ってもらう
より多くの選択肢を提供し、幸せなライフプランに向けて自己決定できるサポートのお手伝い
社会問題として企業へのアプローチと共に、周りに話しにくい不妊や女性特有の悩みに関し、細やかなサポートを
以上の3点を軸に、取り組んで参りたいと思います。
次回は、当社のこの3つのポイントについて、お話しできればと思います。

第2回オンライン相談会のご案内

「仕事と不妊治療の両立」に関しては、今月12月12日21:00~、NPO法人Fine理事長の松本亜樹子様をお招きし、詳しくお話しして頂く予定です。
実際の治療者の声や、仕事との両立の現状、どのようなサポートが必要とされているかなど、2回にわたっての実施を予定しております。
妊活・不妊治療を考えている方、不妊治療中の方はもちろん、企業の人事担当様や、ダイバーシティー事業に携わる方々など、多くのご参加をお待ちしております。
(※)参考・引用:NPO法人Fine(ファイン)「不妊白書2018」(2018)

2021年10月30日 株式会社ポピンズホールディングス主催:「不妊予防・治療オンライン相談会」の内容をもとに加筆し、記事化いたしました

第1回不妊治療・予防オンライン相談会:ダイジェスト動画

 

 

 

荒木依理

不妊症看護認定看護師
生殖医療コーディネーター